大人になるにつれて、気づいたら“甘える”ってことを忘れていました。
家庭では母親として、職場では上司として、いつも「しっかりしてなきゃ」と思ってばかりで、人に寄りかかるなんて全然できなかったんです。
だから正直、最初に大和さんに会う前は「私みたいな人間が来てもいいのかな…」って少し不安でした。
でも、いざ一緒に過ごしてみたら、自然に力が抜けて、久しぶりに“人に甘える感覚”を思い出しました。
頭を撫でてもらったり、抱きしめてもらったりするだけで、心がじんわり満たされていく。
大人になってから感じる“甘え”って、子どもの頃のそれとはまったく違うんですね。恥ずかしさもあるんだけど、その奥に何とも言えない不思議な幸福感が広がっていく。
気がついたら、「もうちょっとだけこのままでいたい」って素直に思っていました。
普段なら絶対に口にしない言葉なのに…自分でも驚きです。
帰り道、なんだか心が軽くなって、眠るときまで優しい余韻に包まれていました。